2月8日、フランス パリのアメリカンホスピタルにて、リュック・モンタニエ博士が亡くなりました。89歳でした。
1983年のHIV発見後、1993年に、当時のユネスコ事務局長 マイオール博士とともに世界エイズ研究予防財団をパリ ユネスコに設立。予防教育とともに全ての患者が受けることができる治療方法の開発を進めました。2008年には、その功績によりノーベル医学生理学賞を受賞。モンタニエ博士のHIV発見のおかげで、世界中の研究者・製薬メーカーの努力により素晴らしい薬が開発され、当初 死の病と言われていたAIDSが、今ではウイルスをほぼゼロに近づけることができるようになり、慢性疾患になったのです。
COVID-19においては、2020年1月の始めに、そのウイルスの発生国中国の広州市にいると電話をもらいました。今までのウイルスの研究から得た知識により、早い段階から持論を展開。彼の意見はあまりにも率直で人のためを思う意見ゆえ、多くの軋轢が生じました。しかし彼は、「自分はもう80代後半、怖いもの失うものもなく人のためになればと思い真実を述べる」と言っておられました。当初は、フランス人のほとんどが彼の意見をネガティブに捉えていましたが、今では多くの賛同者がいます。
モンタニエ博士との最後の会話は、2022年1月14日、イタリア ミラノに向かう途中の 空港からでした。とてもお元気そうな声で、最後に「電話ありがとう ありがとう」と繰り返されたことが記憶に強く残っております。彼の持論は、「生きることは、人のために戦うこと」。5年前に心臓病の手術を受け、おそらくご自身で活動できる余命をわかっていて、最後の力を振り絞り、イタリア、ルクセンブルクの旅に出られたのではないかと思います。
猫が大好きで、私の岐阜の自宅にいらっしゃったとき、我が家の猫アストンとお昼寝をされていたことがとても懐かしいです。
最後になりましたが、モンタニエ博士の意思を受け継ぎ、これからの若者の健康を守るためにも、世界エイズ研究予防財団日本事務所の活動を通して予防教育に努めたいと思います。
世界エイズ研究予防財団 日本事務所 代表 林 幸泰 |
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